木材が持つ欠点について

欠点について

鉄・紙・プラスチック等は一度原料を溶かし必要に応じて好ましい材料の状態にできるのに対し、木材は材料そのものの特性が出ます。 これは木材が持つ自然の風合いであり、シンプルがゆえに高級感があり息が長いパッケージ材料として使用されています。 通常、パッケージとしての木箱をご使用になられているお客様(例えば食品加工メーカー様)であれば、変色・反り・毛羽立ち・加工等による傷に対してご理解いただいているので問題ございませんが、初めてパッケージ木箱をご使用になられるお客様の中には時として「木目が違う・変色がある・反っているから返品する」という話を頂きます。 商品を購入する立場としては「完全な物が好ましい」のは言うに及びませんが、木材自体の性質は変える事が出来ません。 ぜひ、ご購入前に問題となる事象をご理解頂きますよう、あえて欠点について記載しています。

多くの木材は①時間の経過②木材特有の性質③加工工程の中で発生する欠点があります。

①時間の経過

時間の経過による欠点とは
弊社で使用する木材のほとんどが表面加工(※塗装等)を行わないため、木材内部からしみ出してくる天然の物質が空気や湿度等により表面に出てきます。変色の原因となる物質は樹種により一概には特定できないようです。 もみ・桐・ファルカタ・杉に関してはタンニン・油分・タンパク質それぞれが主な原因物質です。特殊な機械で濃縮しない限り天然の物なので口に入っても害はございません。 特に桐の変色は早いため参考画像をご覧ください。

②木材特有の性質

木材の多くは反りが起こります。住宅で使用する柱や梁は木材の厚みがあるので目立たないだけです。 木箱に使用する木材の厚みは4㎜~9㎜と薄いため反りが目立ちます。 特にのせ蓋やサン付き蓋の場合わかりやすく、インロー式であっても反りが起こります。 インロー式の蓋の反り参考画像をご覧ください。
ファルカタの毛羽立ちについて
ファルカタはモミ・杉・桐に比べ柔らかく繊維質が多い木材です。ファルカタは植林後の成長が早く5~8年で伐採されます。 これ以上成長させると木材が赤黒くなり木箱用木材としては使用できません。 繊維質が多い木材は通常の刃物ではきれいなカットができないため、毛羽立ちというか柔らかいささくれの様なものが必ず出ます。 おそらく特殊な刃物を製造すればこの問題は解決できるのでしょうが、弊社でも色々と試していますが未だ解決できません。

③加工工程中の欠点

木箱の形状による加工工程・機械設定により異なりますので、その都度 連絡いたします。